糖尿病の有名な合併症は、
三大合併症といって神経障害、網膜症、腎症の3つが言われていますが、
これらは糖尿病になってから高血糖を放ったらかしにして
大体5~10年以上経ってから発症するといわれています。

糖尿病は「慢性疾患の代表」ととらわれがちですが必ずしもそうではなく、
最近は、糖尿病は、心筋梗塞、脳卒中などの急性疾患を合併する率が
非常に高いということが分かってきました。

いろんな病院のデータもありますが、
心筋梗塞、狭心症、あるいは脳梗塞などが原因で入院されている方を
調べてみますと、糖尿病もしくはその手前の状態だという方が
7~8割おられることが分かっています。
患者さんの中には、自分で気づかない間に、
いつの間にか糖尿病になっていたという方もおられるようです。
このような病気は、動脈硬化が基本的な病態になっています。

糖尿病と動脈硬化は大きく繋がっているということがわかっていまして、
最近では、糖尿病の一番大きな問題は動脈硬化であるといわれています。
ですから糖尿病といっても長期にわたって次第に悪くなるというわけではなく、
心臓や脳梗塞などの急性疾患をひきおこす危険があるとの視点で
これらを予防することに取り組むことが必要です。

糖尿病である方と、糖尿病に関しては正常である方を比べると、
糖尿病を患ってらっしゃる方が、
より心臓や脳への疾患にかかりやすいということが分かっています。

例えば糖尿病の方は、心臓疾患、特に心筋梗塞、狭心症といった
虚血性心疾患にかかりやすく、正常の人に比べて2、3倍高いといわれています。
また、必ずしも糖尿病だけではなく、高血圧や脂質異常症なども合併すると、
狭心症や心筋梗塞を発症する率がなんと35倍も高いという
有名なデータもありますので、糖尿病は動脈硬化と合併しやすいことは確実です。

こういった急性疾患を起こす可能性が高いことを認識しながら、
糖尿病の方は普段の治療に取り組んでいただきたいと思います。

逆に言えば、きっちりと糖尿病を完全に治すことができるのかわかりませんが、
数値を抑えることによって、心臓疾患などを抑える結果につながります。

糖尿病治療の目的は、なにも血糖値を下げることだけではありません。
血糖値を下げる、あるいは合併している高血圧や脂質異常症などを
一緒にコントロールすることによって、
動脈硬化を予防することに繋がります。
健康な日常生活を送るということが最大の目標です。

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